大阪開催レポート

【大阪】アカデミックレストランレポート「絶品!!京タケノコで春の味」inカポディモンテ

アカデミックレストラン レポート
「絶品!!京タケノコで春の味」inカポディモンテ

「旬」を感じる野菜が少なくなった昨今ですが、
生の筍は桜の咲くころからゴールデンウィークまでの
本当に短い期間しか味わえない「旬」を感じることの出来る貴重なお野菜のひとつです。

京都府内で生産される筍は全国の約1割ですが、品質は日本一、
その中で塚原産の筍は京都の中でも一番おいしいと言われています。
色が白く、やわらかく、えぐみが少ないのが特徴です。
それは昔ながらの手作業で、1年間大事に育てた粘土質のよくしまった土で育つため、
伸びすぎず水分を保つからだそうです。

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春の日差しが差し込む野菜ソムリエ認定レストランカポディモンテさんで
今回はその日本一の筍を贅沢に使った筍尽くしのフルコースいただきます。

今年のタケノコは、去年の夏が暑かったことと春先が寒かったため収穫が遅れて、
収穫の量は例年の1/5というタケノコ農家さんにとっては大変に厳しい年になったようです。

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筍農家で育った西村秋保さんの軽快なタケノコトークから始まり、
塚原の筍農家の「旬一」のイケメン若社長の田原さんを交えて筍談義に花が咲きます。
知らなかった目からウロコの筍のお話や筍農家の苦労話などが満載でした。
お伺いした一部をご紹介します。

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竹やぶと筍農家の違い?竹がたくさん生えているのはただの竹やぶ!
筍を育てる筍農家の竹やぶの中はスケスケの状態だそうです。
誤差はありますが旬一さんでは約8畳に1本の親竹を育てて子(筍)を収穫するそうです。
家でいえば約1部屋に竹が1本とは贅沢です。
筍は何故朝掘り?朝日が昇ると今にも地上に出ようとしている筍のサインである土の割れ目が
見にくくなるからだそうです。筍は地面に出る前に掘るのが鉄則!
地面から頭を出てしまうとそれはもはや筍ではなく、ただの竹になってしまうそうです。
掘る期間が短いので10年掘ってもまだまだ修行とご謙遜でした。
もちろん筍は鮮度が命なので朝掘ったものをすぐに出荷してその日に売るためでもあるそうです。

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「ほり」といわれる独特のくわを使っての筍堀の説明(熱演)

筍の土つくり? 通常は筍を掘り終わって、初夏から肥料を入れ、わらを敷き詰め、その上に
土をかぶせるそうですが、旬一さんの一番のこだわりは無農薬で筍を育てていらっしゃることです。
旬一さんでは肥料の代わりに竹チップやおから、ぬか、落ち葉を使用し農薬や化学肥料は
一切使用されていないそうです。
筍の土つくりは大変な作業、そして筍もオーガニックの時代到来ですね。

これらのお話の合間にどんどんとお料理が運ばれてきます。

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シンプルに筍のお刺身の食べ比べに始まりデザートまで全てに筍を使用、これもまた目からウロコの
筍と旬の野菜のお料理の数々(全9品)は飽きることなく最後まで楽しむことが出来ました。

 
カポディモンテの工藤シェフが好みの調理法でと持っていらしたのは
パンの中で火を通した筍(メインで使用)
パンの中から筍とは皆ビックリでした。

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秋保さんから筍と木の芽や筍とワカメなどのその季節の出会いで美味しいものが生まれるという
食べ物の「出会い」のお話が出ていましたが、このアカデミックレストランはまさに
農家さんとシェフと野菜ソムリエの「出会い」が感じられる楽しいものでした。

【レポート作成者】
山内みさ枝(野菜ソムリエ)
野菜ソムリエ認定料理教室『YY-Kitchen-Esaka』主催。
野菜と薬膳の料理教室を開催し、『わいわい楽しく』をテーマに
様々なレシピをお伝えしております。
http://yy-kitchen-esaka.at.webry.info/

【8/7大阪】まるごと食べちゃえ夏野菜

アカデミックレストラン

「まるごと食べちゃえ 夏野菜」レポート
  

場 所:レストラン カボディモンテ
    京都市上賀茂
日 時:2010年8月7日(土)12:00~1500

「まるごと食べちゃえ 夏野菜」というテーマで太陽の恵みをたっぷり浴びた
夏野菜をたくさんいただきました。

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京の伝統夏野菜や全国各地のさまざまな夏野菜の料理を
味わいながら、料理や食材、夏野菜の健康効果についてシニア野菜ソムリエの
山口さん
説明をしてくれました。

また、レストラン・カボディモンテへ野菜を提供している京都上賀茂の生産農家の森田さん特別ゲストとして参加されていて、
環境保全型農業へのこだわりを持っておいしくて安心安全な野菜を作っていることなどを
熱く語ってくれました。本日のメニューのなかにも森田さんが育てた、
まさに顔が見える野菜がたくさん使われていました。

なすサワー

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ウエルカムドリンクは、淡い紫色のナスサワー。
皮をむいたナスを砂糖で煮て、火を止める前になすの皮とレモン汁を入れ、
一晩おいておいたそうです。炭酸と氷が入って冷たく、さわやかでほのかに甘く、
かすかになすの香りがしました。なすは、森田農園さんの千両なすです。

トウモロコシプレート

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前菜は、北海道出身のシェフが選りすぐりのトウモロコシを集めて、
それぞれの品種に合った料理を紹介してくれました。

①北海道産品種のポップコーン(下)
普通食べているポップコーン品種とは違う品種で、
シェフが北海道の道の駅で求めたものだそうです。
②北海道産ピュアホワイトのヤングコーン ピッツア釜焼き(中)
ピュアホワイトは生食可能な品種。ひげは意外と甘かったです。
③南信州産ピュアホワイトの冷製スープ 味来コーンのマシュマロ(左上)
④味来コーンの塩クリームブリュレ(右上)

 
トマトの雫

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さわやかな香りと少し酸味が効いたすっきりした味の透明のスープは、
トマトの浸透液。赤くなくて透明なのです。トマトは、森田農園さんの「桃太郎ファイト」。
その中には、イエローアイコ、ジェルトマト、赤と黄色のマイクロミニトマト、
水牛のモッツアレラチーズ、フレッシュオレガノが入っています。

夏野菜ピッツア

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ピーマン、ゴーヤ、モロヘイヤ、賀茂茄子、万願寺唐辛子、きゅうりの夏野菜がたっぷり乗せてあ
る具だくさんのピッツア。
チーズ、ブラックオリーブソース、さまざまな夏野菜とパリパリの生地
が絶妙なバランスでした。森田農園さんの賀茂茄子、万願寺唐辛子、きゅうりが使われています。

冷製パスタ2種

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①シソのグラニテ・おかひじきのスパゲティーニ(左)
アジのレモンマリネとシャキシャキとした食感のおかひじきの上に涼しげな紫色のシソのグラニテのせ。

②枝豆のスパゲティーニ コンソメジュレのせ(右)
枝豆ソースは、『たんくろう』という品種の香りのよい黒枝豆を刻んだものとピュレとコンソメジュレ。

スズキのポワレ ハーブの香り

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スズキのポワレの上には、セルフィーユというハーブにオリーブオイルソースがかかっていて、黄色いフェンネルの花がかわいく載っていました。下にひいてあるソースは2種類。ラタトゥユと黄色いガスパッチョのソース。トマトの桃太郎ゴールド、ナス、キュウリ、黄色パプリカ、コリンキーというかぼちゃが使われています。

夏野菜パラダイス

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メインディシュは、色鮮やかな野菜たちです。京の伝統野菜もたくさん登場して、本当にパラダイスでした。加熱してある野菜は、ローストして皮をむいた赤と、黄色のパプリカ、素揚げの山科唐辛子、赤伏見唐辛子、賀茂茄子、ズッキーニ、さっとボイルのオクラ、モロッコインゲン、ささげ、電子レンジで加熱の玉造黒門越瓜(山口さんが育てたそうです。)乾燥のものを戻した韓国かぼちゃ、生の野菜は、胡瓜、鹿ヶ谷かぼちゃ、ミニ紅オクラです。バーニャカウダーソースと冷え冷えのパルミジャーノチーズのアイスパウダーをかけていただきました。このチーズは、口の中でふわっと溶けてなくなりました。

カルピスゴーヤ

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ゴーヤのジェラ―トは、最初は甘酸っぱいカルピス味、でも口の中で解けるとゴーヤの爽やかですっきりとした苦みをしっかり感じました。癖になる味と言いたい。苦みが少ない高知県のあばしゴーヤが使われています。上に載っているオレンジ色のゴーヤは、完熟のゴーヤを砂糖煮したもので、苦味がなく、ほんのり甘かったです。

まるごと食べちゃえ かぼちゃドルチェ

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最後にどんときましたドルチェは、まるごとかぼちゃでした。
かぼちゃの雄花のなかにゴルゴンゾーラチーズのジェラ―トが入ったフリッターと
えびすかぼちゃのピュレを詰めたラビオリをバニラ風味のバターナッツカボチャのピュレを
絡めていただきます。かぼちゃの種がアクセントになっています。

夏野菜の健康効果
夏野菜の特徴は、
・色鮮やかな色素成分に抗酸化作用があること。
・体を冷やす水分や利尿作用があるカリウムが豊富なこと。
・酸味や苦味が胃腸を刺激し食欲を増進させること。
・カラフルなナス科(ナス、トマト、ピーマン、唐辛子など)の野菜は、強い日差しを浴びて成長するので、紫外線から身を守る色素成分(カロテン、リコピン、ポリフェノール、ビタミン類)が発達し、有害な活性酸素を除去する抗酸化作用があり、動脈硬化などの生活習慣病予防効果が期待できる。
・ウリ科(キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニなど)の野菜は、ビタミン類やミネラルとともに水分を多く含んでいて体を冷やしてくれる。カリウムが体内の水分量を調整して利尿作用があるため血圧の調整をして安定させ、むくみや体のだるさを解消してくれる。
・イネ科のトウモロコシは、栄養価が高く、疲労回復効果、食物繊維がとても多くて整腸効果が期待できる。また、ひげの干したものには利尿効果が期待できる。
・アオイ科のオクラは、ムチン、ペクチンのねばねば成分が整腸効果や糖尿病などの生活習慣病予防効果が期待できる。
・マメ科の枝豆は、たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれていて、疲労回復効果や美肌効果、食物繊維も多いので整腸効果も期待できる。
・アカザ科のおかひじきは、海辺の砂地に自生していた野草だったが、栽培されるようになり最近はスーパーでも見かけるようになった。ミネラルやビタミンが豊富に含まれている。

山口先生が栄養成分や機能性成分について説明してくれましたが、自分でも調べてみて、改めて
暑い夏には夏野菜を食べることが体のために良いことなのだとわかりました。
夏野菜は、新鮮さも大事なので、
地元の夏野菜を食べてこの猛暑の夏を元気に乗り切りたいです。

今回アカデミックレストランに初めて参加させてもらいましたが、
思いっきり多くの種類の夏野菜・京の伝統野菜を食べることができ、すごく感動しました。

野菜本来の持っている味やそれぞれの品種の特性を生かしたおいしい料理を味わえるチャンスに
めぐり合えたことに感謝します。
生産農家さんたちとのネットワークづくりで
地域の新鮮で安心安全な野菜の確保にも努められている研究熱心な若いシェフと
シニア野菜ソムリエの山口先生、スタッフのみなさんありがとうございました。

長年食にかかわる仕事をしてきましたが、
仕事を離れ、野菜ソムリエとして活動している今のほうが、食に関してずっと魅力を感じています。
これからも地元のコミュニティやアカデミックレストランに参加して、
野菜や果物のことを貪欲に探究しながら、楽しく活動していきたいと思います。

レポート作成者 野菜ソムリエ 黒河美佳子

【7/20大阪】トスカーナのマンマ直伝~ルッカ地方の夏野菜料理~in欧来食堂TANAKA

トスカーナのマンマ直伝~ルッカ地方の夏野菜料理~

■日時 2009年6月20日18:00~
■場所 欧来食堂TANAKA(お料理;田中 稔オーナーシェフ)
■講師 石井 郁子先生 ベジタブル&フルーツマイスター

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イタリア料理、中でも今回はトスカーナ州の古都「ルッカ」という一地方、マンマ直伝の家庭料理の夏野菜にスポットを当てるというとても興味深いテーマです。
お料理をしてくださるのは、大阪・谷町四丁目にある「欧来食堂 TANAKA」のオーナーシェフであり、ワインのソムリエであり、ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスターと、多彩な資格を持ち、また自らも野菜を栽培、一方、来年にはなんとオリジナルワインもリリースされるという凄腕シェフです。
そして講師をしてくださる石井先生は、アロマテラピーインストラクターとベジタブル&フルーツマイスターの資格を併せ持たれ、「美と健康」をテーマにした講座やレシピ提案、食育など幅広く活躍されています。今回の講座の中にも野菜の持つアロマ効果なお話もところどころに散りばめてくださり、とても楽しくうかがえました。

『スローフードが根付く、トスカーナ・ルッカ地方』
花の都フィレンツェの北、トスカーナ州の古都「ルッカ」にほど近いコローニョラ村は、日本と同じように軟水が湧き(イタリアは一般的に硬水)、どこか日本を思わせる景色が広がっているそうです。畑でとれた味の濃い、おいしい野菜やハーブ、マッサマチナイヤに咲く野草の蜜を集めた野生味溢れる蜂蜜、継ぎ足し継ぎ足ししながら作られる年代もののワイン酢、それらの素材を活かすシンプルな調理法で作られ、受け継がれてゆく身体にやさしいマンマの手料理・・・特にこの地方では、人類最古の穀物といわれるファッロ(スペルト小麦)、またインゲン豆やウズラ豆などさまざまな豆やハーブを使ったお料理がよく食卓にあがるそうです。まさにスローで豊かな食生活、地産地消そのもの。そんな風景を思い浮かべただけで、これから紹介されるお料理にわくわくしてきます。
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本日はそんな素朴だけどしみじみあったか~い、野菜の力を引き出すマンマ直伝のお料理を田中シェフが再現してくださり、石井先生が解説してくださりました。

■オリジナルカクテル
ベリーニ(完熟桃のカクテル)で乾杯! 
私も大好きなベリーニ。桃のピューレをスプマンテで割ったイタリアを代表するカクテルです。しかも本日のものはシェフのなかなかのこだわりものでした。
桃の花落ちのところが程良く薄いピンクになるまで程良く追熟させたころを待ってカクテルにしたものです。グラスから立ち上がる桃の甘い香り、さすが今まで飲んだものよりも、桃の風味がしっかりで濃厚。絞りたてのジュースのようだったので、皆さんグビグビ進んでいらっしゃいました。
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■アンティパストミスト
『カルチョーフィのフリッタータ』
カルチョーフィとはアーティチョークのこと。
イタリアのものは小ぶりで、アクが弱く、全体が柔らかいので外側の部分を取り除くと食べれます。日本ではまだ定着していませんが、ボイル、グリル、フリット・グラタン等万能。本日はオムレツ仕立てになってました。
『うずら豆のオーブン焼き』
イタリア人は「豆食い」で料理に豆を多様します。うずら豆にオリーブオイルをかけ、オーブンでふっくら、ほっくり焼きあげます。
『ペペロナータ、ズッキーニのフリット』
ペペローネはピーマン。皮をむいて焼き、シェリー酒で味と香りを引き立てます。
『ファーベのサラダ・ペコリーノチーズ添え』
ファーベはソラマメのこと。イタリア南部では乾燥のものをよく使いますが、中南部では出始めのころこのように生で、ペコリーノチーズと合せて食べたりします。
『メランツィーナのグラタン』
メランツィーナはナス。イタリアのナスは丸型、長型、卵型とありますが、全般的に賀茂ナスのように大きいものが多いようです。加熱すると甘みが増します。
『グラントゥルコの焼ポレンタ』
グラントゥルコはイタリア語で「トルコの小麦」でスィートコーンを指します。ポレンタはとうもろこしを粉にしたもの。イタリアではミネストローネスープ等が余ると次の日ポレンタ粉で固めて焼いたりするそうです。
『オリーブオイルのジェラート』
フルーツのような味わいのエキストラバージンを攪拌して乳化、ピリッとする辛み、温度の変化による味わいの変化を楽しみます。
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田中シェフのお料理の中でもいつも五感を楽しませてくれるのがこの可愛らしく盛り付け
られ、ちょこちょこいろいろ楽しめるアンティパストミストのプレート。必要以上に手を
加えず、野菜本来の美味しさが味わえる、でもシェフのセンス光るお料理たちでした。

■オリーブオイルの食べ比べ
ここで少し趣を変えてオリーブオイルの食べ比べです。オリーブオイルも産地によってさ
まざまな味わいがあることに気付かされます。用途、お料理によって上手く使い分けして
楽しみたいものです。
1.PASQUINI <イタリア・トスカーナ>
  まろやかで青みもマイルドでした。
2.ETIOΣ(オーガニック) <ギリシャ>
  さらりとしていてスパイシー。後に引く苦味がありました。
3.COLAVIATA<イタリア・モリーゼ>
  最初苦味が目立ちますが、広がる味わいが綺麗です。
4.ARDOINO<イタリア・リグーリア>
  フルーツの甘みある味わい。軽くさらりとした味わい。
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■プリモピアット 『ファッロのサラダ』
人類最古の穀物といわれるファッロ(スペルト小麦)。ルッカのファッロはEUが定めるIGP(保護指定地域特産物)に認定されています。食物アレルギーなどを持つ人にも対応でき、栄養に富み、夏場は茹でて和えものやサラダ風に、冬は煮込んでスープやニョッキに、粉にしたものをドルチェにと日常に欠かせません。今までは作ってもお金にならない穀物と位置づけられましたが、健康志向、スローフードが取り上げられるほどに再浮上してきました。
今回のお料理はオリーブオイル、オリーブの実、トマト、バジルで和え、さっぱりいただけるサラダ風でした。ファッロのプチプチ、だけど弾力があり、しっかり小麦の旨味も感じ、食べ応えもあり、美味しかったです。
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■セコンドピアット
『スズキのフリット カーボネロのラグーソース』
スズキもふっくらしていて美味しかったですが、注目はソースとして下に敷いてあるカーボネロのラグーソースです。カーボネロはトスカーナ地方名産の野菜で黒く、結球しないキャベツです。黒いといっても深い緑で、葉はちぢれて細長いです。ビタミン、ミネラル等豊富で、オリーブオイルとの相性抜群、炒め物、スープ等トスカーナの料理には欠かせないそうです。本日も上質なオリーブオイルで炒められていて、味わいはどことなく高菜のようで、スズキとの相性も良かったです。
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『ビーフサーロインのタリアータ ピンツィモーニオ』
そして肉料理です。タリアータは薄切りにした肉料理を指し、上質な肉をシンプルに調理していただく料理に使われます。今「キアーナ牛」はイタリアでも生産量が少ない高級牛ですが、今回はとてもその味わいがキアーナに似ているというUS牛(牛のナンバーで特定されています)で、穀類が少なめ出草類を多く食用するもの、が使用されました。味付けは塩と胡椒だけとシンプル。だから柔らかくてジューシーな肉の旨味を存分に堪能できました。頭の中では、まだ食べたことのないキアーナ牛をイメージしながら・・・。
そして肉料理の付け合わせはトスカーナでは「ピンツィモーニオ」と呼ばれている野菜のスティックサラダです。ニンジン、島ニンジン、キュウリ、白キュウリといろどり鮮やかで、それぞれの味わいや香りの違いもしっかり楽しめました。
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■ドルチェ 『コンビト風ピエトラ菜のケーキ・グラパラリーフのシャーベット』
ルッカ地方コンピト村風のケーキで、固くなってしまったパンを牛乳でふやかし、卵、イタリアンパセリやピエトラ(ふだん草)などを使ってタルト状に作るケーキです。
ドルチェも普段のお野菜をうまく利用したりするのですね。そしてこのケーキはタルトの周りを冠のように尖らせる=ベッコ(鳥のくちばしの意味)と呼ばれる部分が特徴的です。マンマ達はこのベッコをかっこ良く作ることこと、にも競って腕をふるうそうです。
ピエトラは暑さ寒さに強く一年中収穫でき、甘くて柔らかく、カロテン、カルシウム、鉄分が豊富です。ケーキはとてもボリュームがあって、タルトの部分はサクサク、中はふんわり、しっとり、ピエトラの深いグリーン色が鮮やかで、風味は色の鮮やかさほどの青くささはなく、柔らかい甘みで、ケーキ素材ともしっくり馴染んでいます。甘さ控えめで、ボリュームを感じつつも、どんどん進む味わいです。
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そして石井先生が野菜ソムリエとして広告塔ともなり広められている「グラパラリーフ」がシャーベットになってでてきました。これがまた美味しいのです!特に食後にはぴったりです。レモンや青リンゴのようなさわやかさがお口の中や、胃をすっきり、ひんやり冷ましてくれるようです。グラパラリーフはまだ日本には馴染みが薄いですが、中南米やアジアの一部地域で健康野菜として食される多肉植物で、ビタミンやミネラルたっぷり。そのまま摘まんでで食べても美味しい手軽さから、今後注目されています。

**感想***
トスカーナのルッカ地方という遠く、私もまだ一度もいったことのない所ながら、美味しい野菜やお料理、お話、雰囲気からまるで、その地方の中の家庭に招かれたような感覚で楽しむことができました。今回は参加者の座席もランダムに設定され、それがまた新しい出会いとなり、自己紹介、情報交換したりと、とても和やかに、まとまった雰囲気で進められたのも良かったと思います。参加された皆様もとても楽しまれている様子でした。
そして田中シェフの、必要以上に手を加えず、素材の持つ味わいや力を極限にひきだしたお料理の数々はとても香り高く、味わい豊かで、野菜の魅力を再認識させてくれました。またさまざまなお料理をいただき大変満足しながらも、全く胃がもたれていないのもこうしたことからだと実感しました。今後、私自身も「野菜の魅力を伝える」ために、たくさんのエッセンスをいただきました。とても楽しくて、美味しくて、有意義な機会となりました。本当にありがとうございました。

★井上 晶子(いのうえ しょうこ)★
ベジタブル&フルーツマイスター
日本ソムリエ協会認定 ワインアドバイザー 
ワインと野菜の魅力にはまり、現在は両方の資格を活かしながら野菜・ワイン、他広く「食」を販売する仕事をしています。今後はさらに「美味しい野菜を美味しいワインと共に!」をテーマに「野菜とワインの魅力」を伝えてゆきたいと考えています。

1/24アカデミックレストランin vodacoa 大阪

日時】2009年1月24日(土)18:00~20:30
【会場】RESTAURANT vodacoa
【テーマ】ほっこり味わう冬野菜~甘みが凝縮された冬野菜をシンプルに味わう~
【講師】シニア・ベジタブル&フルーツマイスター 高橋 昇さん

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一段と冷え込みの厳しくなったこの日。御堂筋を冷たい風が吹き抜けます。
オフィスビルの立ち並ぶ筋を入ったところに、vodacoaの、こぢんまりと温かな光が目に入りました。近づくと、入口には、木箱に入ったさまざまな冬野菜たち。
柔らかな光に照らされ、シンプルな内装の店内へ入ると、スタッフの方々が温かな笑顔で迎えて下さいます。
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高橋さんのご挨拶で始まった、今日のAcademic Restaurant in vodacoa。
人懐こい笑顔で、高橋さんが、場を和ませて下さって、いよいよスタートです。
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大根とゆずのカクテル
まずサーブされたのは、淡い黄色のシフォンのような、大根とゆずのカクテル。
グラスの淵に集まっているつぶつぶは、ゆずの皮をすりおろしたものとのこと。
口にすると、大根の風味は控えめで、ゆずの柔らかな香りが広がります。
軽い味わいで、これから供されるお料理へと期待が膨らみます。
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天王寺かぶらとはまぐりのカブラチャウダー
ウェルカムドリンクのあとは、外の寒さに冷えた体を、ほっと解き放ってくれる、温かいスープです。
なにわ伝統野菜の一つ「天王寺かぶら」と、春を告げる蛤のマリアージュ。
温かみのある白いスープに映える、緑のソースは、かぶらの葉から作ったものとのこと。
緑のソースだけを頂くと、しっかりと濃く、やや苦みが感じられて、スープへのアクセントになっています。かぶらの甘みと、とろりとした舌触りが、優しい味わいです。
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富山県氷見産の寒ブリのマリネ 紅芯大根とうるいのサラダ仕立て クリスタルリーフ添え
続いて、緑と赤紫のコントラストが美しい一皿。
釣りもご趣味だという高橋さんからは、寒ブリについてのお話や、釣りでの楽しいエピソードも飛び出し、会場は笑顔に包まれ、和気あいあいとした雰囲気になっていきます。 
表面にキラキラとミネラルの水滴をまとっているのは「クリスタルリーフ」。
「クリスタルリーフ」は、アイスプラント、バラフなどとも呼ばれる、新顔野菜の一つです。
この日、初めて召し上がる参加者の方も多く、水滴がうっすらと塩気を含んでいることに驚く声も。
さらに、山菜の一つである「うるい」は、さくっとした歯触りの良さと、つるんとしたヌメリがあり、面白い食感に、各テーブルの会話も弾んでいました。
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北海道産殻つきホタテのオーブン焼き 菜の花のソース
サーブされてすぐ、ホタテの身の厚さに感嘆の声が上がります。
身はしっかりと締まって、口に入れると、甘みが押し寄せてくるよう。
肝もぷりぷり、ふっくら。鮮度が良いためでしょう、いつもは敬遠してしまうホタテの肝も、この日はとても美味しく頂くことができました。
菜の花はアブラナ科の花。キャベツ、ブロッコリーなどもアブラナ科ということで、様々な菜花を楽しめる、といったお話も、高橋さんから伺いました。
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大根4種 食べ比べ(田辺大根・紅しぐれ・青首大根・紅化粧大根)
ここで少し趣向を変えて、冬野菜の代表である大根の食べ比べが行われました。
普段私たちが目にする「青首大根」、なにわ伝統野菜である「田辺大根」、絣のような模  様が美しい「紅しぐれ」、 そして、皮が鮮やかな赤色をした「紅化粧大根」の4種類です。
この日は、vodacoaに美味しい野菜を提供していらっしゃる、安田農園(大阪府茨木市)ご夫妻も来て下さり、収穫した大根をお持ちくださいました。
「田辺大根」は別名「ねずみ大根」とも呼ばれる、ころん、と小さめの可愛らしい形。参加者の中には、以前「田辺大根」を食べたときのイメージを覆す、甘くてきめ細かな肉質に感動したという方も いらっしゃいました。
安田農園さんによると、「田辺大根」は12月はまだ辛く、今頃になると甘みを増すとのこと。食べ頃に食べる、という基本の大切さを、実感する場となりました。
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安田農園さんの人参
大根の次は、安田農園さんの人参が各テーブルへ。
今度は、なにわ伝統野菜の一つ「金時人参」と、おなじみの西洋人参が並びます。
「どうぞそのまま味わってください」という高橋さんの声で、ぽりぽり、と人参を齧りながらのひとときです。
ここで、二股人参ができる理由を、安田農園さんが説明して下さいました。
実は、土壌に大きめの有機物があると、その栄養を得ようと、人参が有機物を抱え込もうとするため、とのこと。植物としての知恵に、参加者一同、感心しきりでした。
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アンコウとアンキモとポルチーニ茸の冬キャベツ包み
生野菜を十分頂いたあとは、メインディッシュ。
シェフが、良いものを提供したいと、予定よりも奮発してしまったというアンコウの冬キャベツ包みです。
アンコウのあっさりとした白身と、こっくりとろけるアンキモに、あちこちから、うっとりと唸る声が。
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vodacoaおすすめのデザート
(人参のタルト、春菊のスポンジケーキ、丹波黒豆ときなこのクリーム、日向夏のジェラート)
締めくくりはデザート3種。楠本シェフからは、感じて頂きたい味わいをご自分の中で明確にイメージし、それに合わせて、デザートの組み合わせ、甘みと酸味のコントロール、温度などのバランスを大切に考えている、というお話がありました。

講師の高橋さんは、ベジフルのお話に留まらず、家庭でできる調理のコツや、魚の魅力など、幅広く「食を楽しむ」という視点から、和気あいあいとした雰囲気を作って下さいました。
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そして、Vodacoaの楠本シェフからは、美味しいものを楽しんで食べて頂きたいという思いが、一つ一つのお料理からも、そのお言葉からも、温かく伝わってきました。

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冬野菜を存分に味わうに留まらず、「楽しい時間を食べる」という意味で、心も体も、ほっこりと癒された
今回のAcademic Restaurant in vodacoa だったように思います。
楠本シェフ、Vodacoaのスタッフの皆様、高橋さん、安田農園さん、協会スタッフの皆様、
素敵なひとときを、ありがとうございました。

ベジタブル&フルーツマイスター 渡邊留美 ***************************************
仕事の傍ら、大好きなベジフルをもっと知りたいと思い、資格を取得。
昨年末、信念を持った素敵な農家さんをクローズアップしたい、とHPをOpenしました。
生活者の方々と一緒に、ベジフルに隠されたストーリーやヒストリーを楽しんでいけたらと思っています。
HP  「Vegefru-Essence=農家さんのココロ=」→http://www.vegefru-essence.com
Blog「ベジフルな、おはなし」→http://vegehappy.exblog.jp