アカデミックレストランレポート: 2008年11月

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2008年11月

スペシャルアカデミックレストラン Vol.25 リストランテカノビアーノ

◆開催日時:平成20年11月10日(月)12時~15時

◆場所:リストランテ・カノビアーノ

◆テーマ:佐賀の食材(柚子唐搾り、香味干し、和チーズ)

◆講師:ベジタブル&フルーツマイスター KAORUさん

◆主催:日本ベジタブル&フルーツマイスター協会

◆協賛:県産品活用推進研究会
   川副町商工会、有限会社竹下商店、三福海苔株式会社、
   川原食品株式会社、株式会社竹八

◆総合プロデュース:有限会社草場企画

佐賀県は玄界灘と有明海という全く異なる2種類の海に挟まれ、豊かな自然と肥沃な農地に恵まれており、米・青果・海産物などの食材から、それを利用した酒、粕漬、海苔などの加工食品はもちろん、有田焼、伊万里焼など世界的な陶磁器まで古くから優れた食文化が発達していました。
今回は、佐賀県産の「米」、「柚子」、「海苔」から生まれた新しい食材を使用して植竹シェフにオリジナルメニューを創作して頂きました。
そして今回は特別にシェフの方を中心にご招待制のスペシャルなアカデミックレストランを
開催することができました。

◆出席者: 株式会社モンサンクレール 辻口オーナー、NOBU TOKYO 横山チーフシェフ・山本シェフ、かんだ 神田主人、ランベリー 岸本シェフ、株式会社ダイナック 長谷様、シティー・スーパー・ジャパン 大桶様、アトリエ・グー主宰 林様、ピエール・ガニェール・ア・東京 入江料理長、根津くらぶ 山田オーナー、有限会社 ブローイング 松尾オーナー、アルモニ山田様、ローソン 木島様、王理恵様、大桃美代子様 ほか

~メニュー~
*イタリア産 プロセッコ
*帆立の炙りカルパッチョ、サラダ仕立て 香味干し風味
*渡り蟹と京小蕪、菊菜、九条ネギのスパゲッティーニ
*国産仔牛バラ肉と白菜の軽い煮込み 柚子胡椒風味 佐賀れんこんのソテー添え 

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~佐賀の食材についてアンケートより~

●佐賀のり「香味干し」 
  【帆立の炙りカルパッチョ、サラダ仕立て 香味干し風味】に使用されました。
     ・野菜と帆立との相性がバッチリだった。
   ・香りが高く、磯の香りと野菜が合う。
   ・香りが高く、サラダによく合いました。
   ・口の中やトマトの果汁等、水分と混合することで香や味を感じやすい。
   ・非常に風味がよく、少量でも調味料のように使えると思いました。 
   ・弊社店舗でも継続使用中。香りの高さは特筆に値する。 など
 
●柚子唐搾り 
【国産仔牛バラ肉と白菜の軽い煮込み 柚子胡椒風味 佐賀れんこんのソテー添え】に使用されました。   
 ・あまり量はつかっていなかった様ですが、香りと辛さがしっかりして美味でした。
    とてもゆずの香りが使い勝手が良さそうで欲しくなりました。
    ゆずの香りがさわやかで、辛さもほどよくおいしいです。
 ・意外な組合せに感動でした。
  ・風味が良くスープがとても美味しく感じました。 など

●和チーズ 
 *試作中のものを味見をさせていただきました。
 ・焼いた方が食べやすく感じました。
 ・思いのほか酒臭くなくお菓子のようでした。ワインとあわせるとよいかも。
 ・チーズ的な使用であれば、チルド製品、料理の調味料的使用は可能。
 ・デザートに使用してみたい。
 ・リゾットに合いそうですね。
 ・発想の転換。色々な研究を重ねてもう一度食べてみたい。 など

今回のイベントを通して県産品活用推進研究会の方たちは、早速シェフたちが柚子唐搾り、香味干しを購入することが決まったりと双方向にとって良い関係性を築く事に成功できました。また生産者が直接シェフの生の声が聞く機会もないので貴重な意見が聞けたと非常に喜んで頂きました。
今後もこのような形で生産者と生活者(レストランシェフ)をつなぐイベントを企画していきたいと思っていますので、宜しくお願いします。

日本ベジタブル&フルーツマイスター協会 
アカデミックレストラン事務局 本田 依子

アカデミックレストラン Vol.24 at 代官山 花壇 笑龍 (渋谷西武店)

テーマ
青森県の食材
日時
11月8日(土)19:00~21:00
場所
代官山 花壇 笑龍
講師
島田 尚子 さん(ベジタブル&フルーツマイスター)
藤森 洋貴 さん、齊藤 樹里 さん(青森県 東京事務所)
高島 正秋 さん(笑龍漢方アドバイザー)

アカデミックレストランの喜びは、地方の隠れた逸材に出会い、それが手練のシェフの技によって最高の料理となり、それを堪能できること。

"知らないで食べる"から"知って食べる"ことがコンセプトであるアカデミックレストランのテーマは、「青森県の食材」。青森県といえば、真っ先に「リンゴ」がイメージされるものだが、はたしてどんな食材が料理されて供されるのか、参加者一同興味深々。
また、会場となった笑龍さんは、「身体に優しい=美味しい」を合言葉に、野菜ソムリエ資格者が選んだ新鮮で安全な野菜を使用し、本物の食材と薬膳の技法を生かした身体に優しく美味しい中国料理を提供しているレストランです。

 ベジタブル&フルーツマイスターの島田さん、青森県東京事務所の藤森さんと齊藤さんの漫才のような軽妙な掛け合いを漢方アドバイザーの高島さんのアカデミックな解説がピリッと締める贅沢なトークショーで、いよいよアカデミックレストランの始まりである。
 本日の料理は、秋から冬に向けて寒気や乾燥が強まるなか、「気」を高める食材で身体を暖め、血の流れを良くし、腸を活性化して身体を潤す効果をもたらすものが供されるということ。

しかし、高まる期待を一瞬に緊張感に変えてしまった最初の一品はこれであった。

「リンゴの食べ比べ」

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今年のリンゴは、春先に霜害・雹害を受けており、その傷を癒すために果実自身の味が良くなっているいうこと。また、リンゴは果皮の下に一番栄養があるので、皮ごと食べることがオススメということでした。

食べ比べに供されたものはこの三種類(右から、「赤~いリンゴ」、「金星」、「金星(キンセイ)」。

「赤~いリンゴ」
御所川原という果肉・花・若葉・枝まで赤い、門外不出の品種。
酸味と独特のニガ味をもち、火を加えるともっと赤くなることから、ジャムやコンフェチュールに向く品種で、あまり生では食べないということ。
試食の感想は、「果肉はキメが細かく、スッキリとした食味だが、酸味が強いすっぱいリンゴ」。

「金星(キンセイ)」
酸味が少なく、甘味と香りの強い、黄色の品種。輸出もされ、海外で好評を博しているということ。
試食の感想は、「ザクザクとした食感が強く、酸味がほとんど無く、甘みが強い」。

「北斗」
青森県開発のフジのに代わる品種で、最高の味と評されるが、病気に弱いために東京まで流通していないマボロシのリンゴ。
試食の感想は、「金星よりも果肉が緻密で、シャクシャクとした食感。果汁が多く、甘みと酸味のバランスが良く、3種の中で最も食味が良い」。
参加者の人気投票の結果も、北斗≫金星>赤~いリンゴでした。

気を取り直して、まずは食前酒。

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食前酒は、和歌山の梅酒に万能生薬と呼ばれるナツメグと朝鮮ニンジンとクコを漬け込んだもので、血の流れを良くする効果があるということ。果実ごといただくこのお酒は、漢方薬臭の無い、梅酒の甘い飲み口でした。

野菜ソムリエサラダ

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このサラダの食材は、コウシンダイコン、リョクシンダイイコン、カンコクカボチャ、ムラサキニンジン、コリンキー、ビーツ、トマト、ヤーコン。皆さん初めて見る品種もあって、どれがどれやらと、まるで野菜当てクイズ大会みたいな様子。
 今回のサラダは食材全体で身体を温め、身体を潤し、腸を活性化する働きがある取り合わせ。野菜は、心身一致で楽しんで、バランスの良く食べることが大切ということでした。また、食材はお互いの効果を補いあうように組み合わせることが大切で、例えば塩は身体を冷やす作用があるので、塩分を排出する効果のあるウリ科の野菜と一緒に摂ること。野菜を食べるときは、繊維が腸を傷めるので、油や魚と一緒にとると身体への負担が少なくなるのだそうです。

乾し貝柱入り美肌フカヒレ茶碗蒸し

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美肌効果の高いコラーゲンを含んだ「フカヒレ」。「気」「血」「水」の巡りを良くし、また疲労回復や記憶力の回復に効果がある「ホタテ」。気を高める「卵」。肌を活性化する「ハトムギ」。贅沢な薬効の茶碗蒸しである。 フカヒレのプリプリとした食感と貝柱のシコシコした食感、ホタテとネギ油の香りの織りなす複雑な茶碗蒸しの味と香りは、理屈抜きに身体が喜ぶ楽しい味わいでした。

青森産ニンニクとイカの香り炒め

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青森県は、ニンニクの国内生産の8割を占める日本一の大産地。今回の食材は、特産の品種「福地ホワイト6片」を自然発酵させた「熟成黒ニンニク」。ニンニクはもともと糖度が40度あり、熟成が進んで辛味抜けると甘味が立ってくるということ。そのまま食べられる黒ニンニクは、ニンニク臭が全く無く、干しアンズのような香りと食味で、まるでドライフルーツのようでした。

ここで、ホタテ貝を語らせたら2時間は止まらないという、藤森さんの「ホタテ解体ショー」と「ホタテ講義」である。

 『青森県は全国の2割の生産量だが、そのほとんどがベビーホタテなどの加工用で、生食用はわずか2%(青森県内で消費されている)。青森産のホタテは甘みが強いのが特徴であるが、その秘訣は生育環境と養殖方法にある。ホタテの育つ陸奥湾は水質が良く、プランクトンが多いため、生育がよく2~3年で出荷される(北海道は5年かかる)。ホタテの養殖方法は、海中に吊るす「ミミヅリ」、籠に入れる「カゴ」、稚貝を放流する「地マキ」に分けられる。食糧となる海中のプランクトンの摂取量が味に影響し、味はミミヅリ>カゴ>地マキの順になる。また、ミミヅリとカゴは泳がないため、貝が厚いのが特徴。』

温野菜と活ホタテのXO醤・まこも茸添え

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「まこも茸」は、タケノコとアスパラガスの合いの子のシャキシャキした食感とエリンギの味のする不思議な野菜。ホタテは貝柱の繊維が細かくやさしい食感、甘味もはっきりしており、北海道産に慣れた自分には、ホタテの認識が変わるほどの衝撃的な味でした。

津軽りんご地鶏と根菜のフルーツ添え

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「津軽りんご地鶏」は、青森生まれのシャモロックという品種。2kgという大型種のシャモながら、身が柔らかく、「味よし、ダシよし、歯ごたえよし」という品種。鶏は骨付きで食べるにより、コラーゲンがより良く摂取できるということです。
 根菜のひとつの「ながいも」は、青森で開発されたトロフィー種という品種で、甘味と強い粘りが特徴。ながいもは、胃の保護や各種酵素による消化を助ける働きを持つということです。ちなみに、下の方(太い方)が甘いのだそうです。
 バレイショは、きたあかり、インカのめざめ、シンシア、シェリーの4種。また、「テイスティングポテト」という10種類のジャガイモを詰め合わせたセットが販売されているということ。本年は、シャードークイーン、ノーザンルビー、シンシア、インカのめざめ、アンデスレッド、ジャガキッズパープル、ヨーデル、シェリー、つがる小雪、デストロイヤーのセットだそうです。

地野菜のクリームソース冬仕立て

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トマトの赤(サンゴールド)と茶色(チョコレートチェリー)、バレイショの紫(シャドークイーン)と赤(ノーザンルビー)、ニンジンのオレンジ、カボチャの黄、ナメコとキクラゲの白と野菜とは思えないほどのカラフルな組み合わせのクリームソース煮。
「初雪たけ」は、白いナメコである。あの「ブナピー」とは違うが、まだ市場では認識されていない新品種。ヌメリが無いため、炒めても、焼いても、煮ても使える万能のキノコ。エグ味が無いため、生でもOKということで、挑戦したものの...。「ヤッパリ、火を通した方がいい」ということで挑戦者一同意見が一致しました。「これで甘かったらデザートみたい」という声も挙がっていた純白のクリームソースは、「アレッ?豆乳?」と思わせるようなサラりとした舌触り。その秘訣は、一番高価な生クリームに塩と片栗粉を加えて、あまり煮過ぎないことだそうです。
でも、「一番高値」な生クリームって、いくらなの?

せんべい汁笑龍風

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笑龍風のせんべい汁は、「つぶゆき」と古代米と雑穀米の3種のお焦げも入り、シットリとサクサクのいろいろな食感がひとつにまとめられた欲張りな一品。「つぶゆき」は、大きさが普通の米の6割しかない小粒種で、玄米で食べることがお勧めの新品種。米は、揚げることによって粒子が細かくなるので、消化が良くなるということです。スープを吸った南部せんべいは、見た目と食感がまるでアワビのよう、思わぬ贅沢感を楽しむことがでました。

りんごのコンポート

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「ふじ」「金星」「北斗」「紅玉」がひとつにまとめられたコンポート。上に乗っているのは、リンゴの皮の千切りのラムシロップ漬け。4種の食感の違いが味わえるそうだが、正直なところよく判らなかった。でも、加熱してあるのにシャクシャク感を失わないリンゴの食感がとても不思議。水と氷砂糖でせいろ蒸しにして固さを調整れば、できるということ。

ゼネラルレクラーク

なぜか青森県以外では、美味しく実らない大型の品種。まだ熟しきっていないということで甘味や香りは薄かったのですが、舌の力だけでも崩れる果肉は、完熟した果実にいやおうなく期待が高まりました。

漢方アドバイザーの高島さんから自分で出来る健康チェック法をいただきました。それは、自分の舌を鏡で見ること。舌を見て、先が分かれているとき、横にスジが入っているとき(目が充血しているときも)は、ストレスが溜まってイライラしている状態。舌が白いときは、内蔵系が冷えている状態ということです。ぜひ、ご自分の舌をじっくり観察して、健康チェックしてみましょう。

ベジタブル&フルーツマイスター 片桐 徹

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