アカデミックレストランレポート: 2008年10月

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2008年10月

アカデミックレストラン Vol.23 at 根津くらぶ

テーマ:静岡県の食材
日時:10月6日(月)19:00~21:30
場所:根津くらぶ
講師:山田悦子さん(根津くらぶオーナーシェフ)
西村有加さん(ベジタブル&フルーツマイスター)

いよいよ“食欲の秋”到来です。Dsc_1117_2
野菜売り場の品揃えも少しずつ変わってきて、秋を感じる今日このごろ…
知らないで食べるから知って食べることを体感するアカデミックレストランへ。
今回は私の住む静岡県の食材がテーマということで、期待と緊張を抱きながらの初参加をさせて頂きました。
静岡県食材の魅力をお話してくださったのは、いつもステキなご活躍で私の憧れでもありますベジタブル&フルーツマイスター西村有加さん。舞台となったレストランは下町の情緒あふれる根津にある「根津くらぶ」です。オーナーシェフは今回のお料理を担当してくださった、お母さんのような優しい笑顔がステキな山田悦子さん。1994年に日本料理のお店としてオープンされ、食事だけでなく、器、お花、書などすべてを楽しむ空間をコーディネートすることをコンセプトにされているとの言葉通り、店内は入り口から日本の風趣が漂い、夢の中へ誘われるといった雰囲気を感じました。
初めてお会いする顔ぶれに緊張は増すばかりの中、西村さんの明るい笑顔のご挨拶で会が始まりました。

~ 食前酒 ~
Dsc_1154_3・焼酎の水割りに卸したワサビをポトンっと入れた、
  とってもさわやかなお酒でした。

~ 先附け ~Dsc_1158
・まぐろづけの握り
・芽葱の握り
・くるみ豆腐山葵乗せ
・丹波枝豆とあさりの白和え
・青梗菜の胡麻浸し
・旬のお造り アジ

驚いたのは、丹波の枝豆。1年のうち収穫はこの季節のしかも2週間のみという貴重な枝豆です。丸々と太り、粒が大きく、コクがあり、旬を味わう最高の贅沢を知ることができました。

~ 揚げ物 ~Dsc_1172_2
Dsc_1177・子持ち鮎唐揚げ
・ホウレンソウ酢

初めていただく子持ち鮎は、真ん中を割ってみると思った以上に卵があふれていました。卵がたっぷりなせいか鮎を食べると感じられる苦味はなく、甘みがありおいしくいただきました。一緒にいただいたソースは、ホウレンソウの新たな活用法の新発見に心が弾みました。

~ 煮物 ~
Dsc_1179 ・姫あわびと里芋焚き合わせわさびソース添え

ここで、注目を浴びたのは海老芋。海老芋は静岡県が有名な産地です。肉質はしっかりしていて、食味は里芋の中で最高といわれるだけあっての滋味豊かな逸品でした。

~ 焼き物 ~
Dsc_1182・メロンソースの静岡型銘柄豚焼き物

全国主要市場の販売量約40%弱を占め、産出額日本一の静岡温室メロンと、銘柄ポークの高感度コンテストにて全国1位を獲得した豚肉が、メロンに生ハムという組み合わせをヒントに、シェフがナンバー1の夢のコラボレーション料理を実現してくださいました。ふわっと感じるメロンの甘い香りにやわらかい豚肉、ゆっくり、しっかりと味わいました。

~ ご飯セット ~
Dsc_1185_3・山葵炊き込みご飯
・吸い物
・漬物

山葵の炊き込みご飯は甘さと、ときどき苦味が感じられる大人なご飯です。そして、漬物はぬか漬け。その中の千葉の地場野菜という茶色の皮が珍しい瓜がとても気になりましたが、名前がわからないということで、謎を残したものでした。

~ デザート ~
Dsc_1192・山葵のシャーベット

思っていた以上に辛味がありましたが、材料に含まれている牛乳がまろやかにしてくれているようで、スッキリとして後味はやわらかな、おいしいシャーベットでした。

【 感想 】
「ワサビは森林が多い山間の穏やかな環境の中、栽培されています。」という西村さんのお話から気分は一気に大自然の中へ誘われ、始まった今回のアカデミックレストラン。素材が持つそれぞれの味を大切にし、活かすシェフのお料理は、盛り付け、器、香り、食味等、五感すべてが満足できる演出があり、この日のために静岡へ足を運び準備をしてくださった西村さんの楽しいお話、このお2人のコラボレーションに終始、開眼と感動の連続でした。口に入る食材の背景にある、旬や特徴、産地を知っていただくということは、おいしさがさらに増し、お腹だけでなくココロも満たされます。静岡の魅力を再発見し、知る楽しみを充分に味わい、実りの秋と共に私の心に新たな食への実りを感じる時間となりました。私達が笑顔で楽しく過ごすことができたのは、関係者皆様の細やかなご配慮のお蔭です。ありがとうございました。

ベジタブル&フルーツマイスター  村松 和美

アカデミックレストラン Vol.22 at ラ・ターブル・ド・コンマ

日 時 2008年9月27日(日)  
場 所 ラ・ターブル・ド・コンマ
講 師 シニア・ベジタブル&フルーツマイスター  黒川 和江 さん
テーマ 青森県の食材

駒沢大学駅から徒歩2分の野菜料理が美味しいフレンチとして有名なレストランで、今回のアカデミックレストランが開催されました。今年開店20周年を迎えたそうです。
店名「ラ・ターブル・ド・コンマ」は「駒沢の食卓」という意味だそうで、店内に入ると、高い天井、上品で優雅さ溢れる別世界、それは絵に描いたような空間・・パリのオペラ座をイメージしているのだそうです。ダイニングルームの開放感あるガラス張りの窓7からは美しい日本庭園を眺めることができ、お料理を頂く前から期待感が高まりました。
また、テーブルの上には本日のテーマである青森の食材が広がっており、開催前から藤森さんに色々なお話しをお伺い致し、藤森さんの熱意溢れる思いが伝わり、益々楽しみになりました。

■葉つきこかぶのエチュべ(食材:野辺地 葉つきこかぶ)

1お料理を頂く前に、まずこかぶを生で味わわせて頂きました。一口頂くと甘みが口の中いっぱいに広がり、それだけで満足感溢れ、絶品の味わいでした。是非生でも試して頂きたいおすすめ野菜です。
皮に切り目を入れて剥いた飾り切りが、真っ白なチューリップのようで見た目にも大変美しく、観賞しても楽しめるお野菜です。
エチュべとは煮込みという意味で、煮込んだかぶに蛤と穴子のお出しがベストマッチ、とろけるような味わいでした。真っ白なお皿には、かぶの葉っぱが可愛らしく飾られており、頂くのが勿体無いくらいでした。盛り付けのセンスも小峰シェフのこだわりが感じられ、大変勉強になりました。

■青森産つぶゆきと鱈の塩蒸し、愛ちゃん(黒にんにく)の香り(食材:つぶゆき 熟成黒にんにく)

2_2つぶゆきは大きさが普通のお米の6割程度の極小粒米で、初めて味わう癖になりそうな食感でした。鱈の中には黒にんにくが詰められておりましたが、黒にんにくの酸味と甘みが鱈のあっさりした味を一層引き立てていました。小峰シェフのアイディアはどれも本当に素晴らしく、一品一品が驚きと感動でした。糖度40度の黒にんにくは、栄養成分はそのままだということ、藤森さんがカットしてピザの上に乗せても良いとおっしゃっていたので、是非試してみたいと思います。

■初雪たけ(白なめこ)と青森 棟方さんが採った天然の舞茸の煮込みと海峡サーモンのポアレ
(食材:初雪たけ 海峡サーモン)

3_2 初雪たけは真っ白ななめこで、ぬめりがなく、マツタケのような香りと歯触りの良さが特徴。舞茸との相性もぴったりで、海峡サーモンと共に頂くと秋の香りが口の中全体に広がりました。海峡サーモンは臭みがなく旨みがたっぷりで、脂の質もきめ細かく、今まで食したことのないサーモンでした。お刺身でも美味しいとのことなので、色々な調理法で楽しめるサーモンだと思います。

■青森産シャモロック(鶏肉)のコンフィー、アピオスとミズとの出会い
(食材:シャモロック アピオス ミズ)

5_2 お料理が運ばれる前にシャモロックの丸焼きを拝見させて頂き、その大きさに大変驚きました。
そして、お料理は清潔感漂う真っ白なお皿に盛り付けられていました。シャモロックの周りに飾られたアピオスの小さく可愛らしい外観と山菜・ミズの綺麗な緑色が食欲をそそり、どれから頂いたら良いか迷うほどでした。アピオスは甘く、栗やさつまいも、じゃがいものような食感で栄養価も満点、そのほくほくした味わいとミズの癖のない味、そしてシャモロックの旨み3つのハーモニーを楽しめました。ミズはふきのような外観で、藤森さんが皮の剥き方を実演してくださいました。

■青森産トウモロコシ“嶽きみ”とジャワ産胡椒のアイスクリーム、
コルネに包まれたトウモロコシ“嶽きみ”のクリームとローストを添えて (食材:“嶽きみ”)

6_3 小峰シェフの野菜のスイーツも楽しみの一つで、デザートが運ばれてきた途端、甘く優しい香りが漂いました。嶽きみを使ったアイスクリームは濃厚で、コルネに包まれたクリームも嶽きみの甘みがふんわりと広がり、まさにヘルシーデザートでした。お野菜をこんなふうにデザートにできるなんて・・・と参加者の皆様からも沢山の声が聞かれました。付け合せのローストが本来の嶽きみの味わいで、そこから手を加えられたスイーツを味わうと素材の様々な変化に楽しめ、また、美味しくヘルシーに頂くデザートは小峰シェフの素晴らしいアイディアだと感動致しました。

■キャフェとアピオス (食材:アピオス)

アピオスにはココアパウダーがかけられ、トリュフのような外観でした。一口頂くと、アピオスのほくほくした甘みとココアパウダーがマッチし、病み付きになりそうでした。お野菜とココアパウダーが合うという新たな発見ができたことも今回の収穫です。

他に、青森の食材・御所川原の赤いりんごは果肉の中まで赤く、花や枝、葉まで赤いとのこと、ふじに比べカルシウムも3倍だそうです。
小峰シェフによるお料理の実演コーナーもあり、参加者の皆さんは席を立ち、真剣に見入っておりました。家庭でもできるように丁寧に教えて下さり、大変ありがたかったです。
また、青森の食材担当である藤森さんと加藤さん、シニア・ベジタブル&フルーツマイスター黒川さんのご説明は大変興味深く、食材に対する熱い思いが伝わり、青森の食材の素晴らしさを実感致しました。
「ラ・ターブル・ド・コンマ」・・・お野菜の素材を生かした美味しいフレンチを堪能でき、正に至福のひとときでした。小峰シェフを始めスタッフの皆様、藤森さん、加藤さん、黒川さん、本田さん、参加者の皆様、素晴らしい会を本当にありがとうございました。 

ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター   坂入 恵美

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